もくじと前書きを公開
どんな時代にもお客様の心をつかむ「揺るがない経営」
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もくじ
新しくサロンを開業する人が増えています。
新型コロナウイルスや不況などの影響もあり、就職に困った方や職を失った方が手に職をつけ、新たな道へと踏み出しているのです。
また、時代の変化により苦境に立たされ、懸命に新しい道を模索しはじめているサロンや飲食店の方も多くいらっしゃいます。
あなたもそのおひとりでしょうか?
こんにちは。本書を手に取ってくださり、ありがとうございます。向井邦雄と申します。
私も15年前、夫婦で小さなサロンを開業へと踏み出したひとりです。当初は苦労をしたものの、さまざまな試行錯誤によって軌道に乗せ、売上は当時の20倍以上。現在も、コロナ禍の中でも前年超えで売上を伸ばし続けています。
10年ほど前に1冊目のサロン経営書を出版したことを機に、自サロンを経営しながら多くの店の経営支援やセミナーなどをさせていただいています。
1500以上のサロンさんを10年にわたって見守らせていただく中、ここ1年ほどで大きな変化がありました。世界的な大災害と経済ダメージ。営業の自粛や集客難により、悲しいことに店をたたまざるを得ない方も何人か見てきました。
大きな志と希望を抱いて開いた店。それをつぶしてしまわなければならないという決断は、とても悲しいことです。同じ志を持つ経営者として、私もとても苦しい気持ちになります。
一方、そんな状況の中でも、私がアドバイスをさせていただいた店の多くは、しっかりと経営を継続し、中には着実に売上を伸ばしている方もいらっしゃいます。
このたび、私が本書を書かせていただこうと思ったきっかけ、それは、こんな時代でもサロンや飲食店が生き抜いていく術はあるということ。いや、むしろこんな時代だからこそ、本当の意味でお客様との関係性を深め、幸せな経営ができるようになるのだということ。それをお伝えし、業界全体を発展させていきたいと思ったからです。
私がこれから書く内容は、売上を上げる魔法ではありません。小手先のテクニックや、人をだます手法でもありません。どんな時代の中でも揺れ動かない心のあり方と、お客様との関係性の深め方。あなたが幸せになりながら、あなたのお客様も幸せにしていく、「新しくも普遍的な経営メソッド」なのです。
事例はサロンが多いですが、飲食店やアパレルなど、同じように店舗を構え、お客様と向き合う多くの業種の方にも役立つことは多いでしょう。
つらい悲劇を明るい未来に変えるために。私の小さなエールが、あなたの大きな幸せにつながれば幸いです。
ぜひ最後までじっくりとお読みください。
〔Prologue〕サロン経営の“今とむかし”
* サロン経営とは何か
* むかしはよかった?
* 紙の裏に描いた餅
* 突然の悲劇
* これから何をするべきか?
〔PART1〕多様化 ~危機に倒れない経営の形とは~
* リスクを減らすために必要なこと
* 入り口を増やすPart1
* 入り口を増やすPart2
* もっとも倒れにくい形とは
* 多様化の注意点
* ヒントはすぐそばにある
* ニーズはつくり出すもの
* 届かなければ意味がない
〔PART2〕スモール化 ~減らすことで増えるものもある~
* いかに無駄が多かったか
* 固定費・変動費 ~経費の見直し
* 無駄な作業を減らす
* 無駄な努力を減らす
* お客様を減らす!?
* 売上を保つ三角形
* 客単価を上げる意味
〔PART3〕スピード化 ~小さな店舗だけが持っている武器~
* 小さな店が勝てること
* 思いついたら即行動
* 入金サイクルを早くする
* お金を生み出すのは誰か?
* 人材育成の最速化
* 「旬」が命
* キャンペーン=値引きではない
* スピードは風を呼ぶ
〔PART4〕NO密&濃密化 ~密を避けなければならない時代だからこそ~
* 簡素化する時代
* ぽっかりと空いた穴
* 蜂や蝶は蜜に集まる
* 密を減らした分、密を増やす
* 心の伝え方
* 心を動かすのは心
〔PART5〕無敵化・協調化 ~ステキな店がムテキになる~
* 簡単に「無敵」になる方法
* ライバルは同業ではない
* 誰があなたの店を判断するのか?
* 敵を味方にする方法
* もっとも怖い敵がいる
〔PART6〕無類化・普遍化 ~時代に流されない店になる~
* 「唯一無二」の本当の意味
* 変わらないもの・変わるもの
* 進化とは?
* 時代に流されない力
* 原動力はお客様
* 何が起きても、お客様が通いたいと思う店とは
〔PART7〕客単価を10倍に上げてきた20の方法
* 実例集(20個)
〔PART8〕それでも危機はやってくる ~数々のピンチをチャンスに変えた実例~
* 安泰はない
* 怖いのは実害よりも「ウワサ」
* 世論を見て慎重に動く
* 不平不満の言葉は自分に襲いかかる
* 危機のときほど救いもある
* 転んでもタダでは起きない
* お客様が見ている場所
* そこに人は集まってくる
〔PART9〕これからの時代の心のあり方
* ピンチはチャンス
* それでもピンチはチャンス
* 何のために店を開いたか
* あなたの原点に還る
* その先を見つめる
〔Epilogue〕今日がはじまり
* 主人公はあなた
* 人生という映画を楽しむ
* そして今日、すべてがはじまる
おわりに
向井 邦雄(むかい くにお)
一般社団法人日本サロンマネジメント協会 代表理事
株式会社ライジングローズ 代表取締役
サロン経営、スクール運営、セミナー講師、著者、サロンコンサルタント
2006年、夫婦でエステサロン「ロズまり」を開く。未経験ながらも、4年で売り上げ7.5倍、10年で20.1倍、リピート率98%、コロナ禍においても売上記録を更新し続けるなど、揺らぐことのない右肩上がりの経営を続けている。2011年4月、そのノウハウを余すことなく記した処女作『お客様がずっと通いたくなる小さなサロンの作り方』がネット書店アマゾンでビジネス書部門1位、増刷19刷(2018年刊行の最新版でさらに6刷)のロングセラーとなる。2013年12月に刊行した2冊目の著書『お客様がずっと通いたくなる「極上の接客」』も15刷を超える。
現在は、カウンセリングの認定資格講座「フェイシャルカウンセラー認定資格講座」や「小顔筋艶肌フェイシャル技術講習」、「サロン経営者向けのNLP講習」、経営セミナー等で、1500以上ものサロンさんを支援し、日本中を奔走している。
他の著書に『お客様が10年通い続ける小さなサロンのとっておきの販促』(同文舘出版)などがある。
このページを最後までお読みいただきありがとうございます。
私の1冊目の著書〔お客様がずっと通いたくなる小さなサロンのつくり方〕が最初に発売されてから、10年の時が流れました。
10年前といえば、ちょうど東日本大震災のあった年。
大きな不安や苦労を必死で乗り越え、この10年で一歩ずつ私たちは復興を遂げてきました。
ところが・・・
2020年、全世界を襲った新型コロナウイルス。
感染の恐怖だけではなく、経済にも大きなダメージを与えました。
そしてそれは過去の話ではなく、今なお収束の兆しさえ見えません。
私たちのサロンという職業は、お客様と直接触れ合う仕事です。
相次ぐキャンセル、予約の激減、風評被害の恐怖。
悲しいことに私のまわりでも、店を畳まざるを得ない方も何名かいらっしゃいました。
密を避けることのむずかしい私たちのサロン業界は、いったいどのように、この危機に立ち向かっていけばいいのでしょうか?
そんな中、私のサロンでは、コロナが騒がれ始めた直後からさまざまな試行錯誤を試み、予約が減るどころか、キャンセルもなく(むしろ入客を制限しながら)お客様の心と深くかかわり合いながら緊急事態宣言による休業から明けたのち1年以上、前年の売上記録を更新し続けました。
さらには、2020年の8月には、過去14年間の史上最高売上、今年21年の8月も、それに次ぐ史上2番目の売上を更新しました。
先の見えない不安。
でもそれは、決して解決策のないことではないと私は信じています。
そう信じてそれを結果につなげてきました。
そして今度は、あなたが、そして全国のサロンの方々がそうなっていく番です。
そんな思いを込め、そのすべてを赤裸々につづった本書が、
少しでもお役に立てればとても嬉しく思います。
この1冊が、あなたの店を、そしてあなたの心を救う1冊になりますように・・・
令和3年9月吉日
向井邦雄